「小松左京マガジン」第9巻(2003.01.28、イオ発行)の〔特別対談「ロボッ
ト」から「鉄腕アトム」へ〕(瀬名秀明さんと小松さんとの対談)から

瀬名 日本のテレビアニメそのものが結局、ロボットアニメ、もしくはSFから
始まっていった年だと思うんですけれども、このころの思い出とかはあります
か?
小松 翌39年10月には東京オリンピックだろ。僕はその前に、「いとし・こ
いしの新聞展望」という漫才の台本を書いていたな。昭和33年にラジオ大阪が
できたんだが、僕の先輩がそこの編成局次長ぐらいに入って、それで33年秋か
ら「いとし・こいしの新聞展望」を生放送ではじめた。東京で話題になっていた
トップ・ライトの起き抜け漫才に対抗してね。それの台本は4年半ぐらいやった
から、『アトム』の放送が始まったのはその最中のことだね。米朝さんとの『題
名のない番組』は39年から始まったんだな。