「対談 笑いの世界」朝日選書735(2003.09.25、朝日新聞社発行)の米朝さんと 筒井康隆さんとの対談から |
筒井 サンケイホールでは、師匠は何度もやっておられるんですね。 米朝 そりゃもう、何十年もやってます。あそこではテレビの公開録画もやった し、落語会も。自分の独演会をやったのは昭和四十五年からです。 筒井 ラジオ大阪があの建物の中にあって、ぼくは最初、小松左京さんに連れて 行ってもらって、紹介された。それが米朝師匠との初めての出会いでし た。 小松さんとご一緒に番組をやってらして。 米朝 ああ。あの番組は昭和三十九年とか四十年とか、その頃です。 筒井 ぼくは番組には出なかったけど。 米朝 星新一さんも番組に出ることはなかったけど、小松さんについてきて、ス タジオに入り込んで、ピアノの傍にすわって。弾けへんかいなと冷や冷や した(笑)。 筒井 あの人は無茶するからね(笑)。 〔本文の注釈〕 昭和三十九(一九六四)年から四十四年まで続いた、ラジオ大阪の「題名 のない番組」のこと。 |