倉石農林大臣の妾発言


倉石農林大臣をめぐる1967年2月7日の第58回国会衆院予算委員会の議事
録から抜粋。

●柳田委員
 昨日、倉石農林大臣は、閣議終了後、午前九時半から約三十分にわたって、院
内で農林省記者と会見を行なわれました。その席での倉石農林大臣の発言は、お
おむね次のようでございます。これは本日の日刊紙に載っておるのを、私は、
事、重大でありますから、全文読み上げます。
  (中略)
 土足で庭先に踏み込まれているのに水産庁長官からおそるおそる申し入れなん
かやっているようではだめだ。佐藤首相も“平和憲法”をいっているけれど腹の
なかではくすぐったいだろう。こんなばかばかしい憲法を持っている日本はメカ
ケみたいなもので自立する根拠がない。
 自分の国は守っていかねばならない。他人のお情で生きている。われわれはよ
いとしてあとからくる若い人のためいまのうちに立て直さなければいけない。
 同農相はあっけにとられる記者団に「これに比べれば米価審議会なんて吹けば
飛ぶようなケチなものだ」と気勢をあげ、最後に「日本も原爆を持って三十万人
の軍隊でもあったら……」といいかけて開会の迫った衆院予算委員会に出席のた
め席を立った。
 以上が日刊紙の伝うるところによる倉石農林大臣の発言要旨であります。
  (以下略)

●倉石国務大臣
 お答えいたします。
 事柄が昨日のことでありますから、私はきわめて記憶は明らかだと思います
が、だいぶ誇張と粉飾があるようでありまして、私の真意を伝えておりません。
 昨日、内閣の閣議が済みましてから、衆議院の食堂において行なわれておりま
した記者会見に臨みましたが、私の所管の農林関係の事項がありませんでしたの
で、きょうは何にもありませんでしたと……。しかし、いつもあの食堂でやる記
者会見には、ミカンやコーヒーも出ておりますので、まだ時計を見たら予算委員
会の始まる前でありましたので、例によって雑談をいたしておったわけでありま
す。
  (中略)
 そこで、いまの世の中は、私どもが働く、われわれのしかばねを越えて将来日
本民族の発展のために日本をリードされるのは、あなた方若いインテリゲンチア
なんだから、しっかり勉強してくれよ、こういうことを言って食堂を退出したわ
けでありまして、私は原爆云々とか三十万とかなんとか、そういうことを申した
わけではありませんが、いまのような大事な国政審議の途中で、内閣に席を持っ
ております者が、たとえ会見後の雑談でお茶飲み話でありましても、とかく物議
をかもすような御心配をおかけいたしましたことは、私はまことに恐縮に存じて
おる次第でございます。それが私の真意でございます。