日通事件

日通事件とは、日本通運が、1940年(昭和15年)以来独占輸送をしている
米麦などの政府食糧について、1967年(昭和42年)4月の衆議院予算委員
会で、社会党の猪俣浩三と民社党の竹本孫一が「米麦輸送をなぜ日通にだけ請け
負わせるのか」と攻撃したときに、社会党の大倉精一(元日通労組委員長)と自
民党の池田正之輔に対し、議会発言をしないよう働きかける見返りとして、大倉
には200万円、池田には300万円を渡したとされる事件。

1977年(昭和52年)10月14日、最高裁判決で、池田正之輔は懲役1年
6月、追徴金300万円の実刑が確定。
1億9000万円が政界に流れ、47人にばらまかれたが、事件として立証でき
たのは、大倉と池田の計500万円の2件だけだった。


※ 日本通運は、1937年(昭和12年)10月に日本通運株式会社法によ
  り、国際通運など6社を統合した国策会社であった。戦後は、過度経済力集
  中排除法により整理されて民間企業となったが、国内運送の大半を占める巨
  大企業としてスタートした。