ときうどん/ときそば


 うどんが1杯16文だった頃、流しのうどん屋でのこと。
ある客がうどん屋にさんざんおせじを言ってうどんを食べたが、勘定のとき、
「銭はこまかい、ひい、ふう、みい、よお、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ
 今、何どきだい?」
「ここのつで」
「十、十一、十二、・・・・」
と、1文ごまかして帰っていった。

 これを見ていたボォーッとした男が真似をした。
「ひい、ふう、みい、よお、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ
 今、何どきだい?」
「よつで」
「いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、ここのつ、・・・・」


※ 三代目柳家小さんが、大阪の「ときうどん」を東京に持ってくるとともに、
  「うどん」を「そば」に改めた。