世の中に
渚の院にて桜を見て詠める
世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
在原業平朝臣
※ 古今和歌集「第一巻春哥上、53」
平安時代の始めころに書かれたといわれる伊勢物語の第82段に、「桜の咲
くころ、惟喬親王が親しい右馬頭(在原業平とおもわれる)たちと鷹狩りの
ために片野ヶ原に来たとき、渚の院の桜が大変すばらしかったので、この桜
を見ながら歌よ詠むことにした」とあり、そのとき右馬頭が詠んだ歌、