題名のない番組(再録)

1969年4月2日放送の再録


♪ジャジャジャジャ〜ン(交響曲第5番)、続いて寄席の出囃子

菊地 題名のない番組
   もうあと1週間でお別れになりましたけど、今夜もおしゃべりは、
米朝 桂米朝
小松 小松左京
菊地 菊地美智子です。
米朝 また、小松さんが来やはらへんさかいにねぇ、もぅ、最後にまた遅刻か何か
   になる……。
菊地 もういっぺん花持たしてあげよ思たんですけど。
小松 しゃぁけど、しかし、バラッと休んで遅刻したらよかったしなぁ。で、来
   期、題なし、今度終わるときにね、4月2週伸ばしたひには悪いですよ。
米朝 はぁ。
小松 4月2日、シニ(死に)でしょ、その次は。
米朝 9日や。四苦八苦やね。
小松 あ〜、まぁ、こうゆうふうに言わして、なんか陰謀やな。なんか、こう有終
   の「終」を重ねさせようとゆう(笑)。
菊地 今日は、あの「死にの日」ですね、今日はね。
小松 昨日が、まぁ、嘘付きの日やし、まぁ。
菊地 あ〜、エイプリルフールでした。
米朝 あのう「うしおの会」とゆうのが、あれは偉い会やね。
小松 どんな?
米朝 あたし、前、取り上げてね、できるんかいなぁと思たん。あの詩集を、安い
   詩集、100円かの詩集を売って、原価なんぼかについてるから丸ごと儲か
   るわけやない。その売り上げで学生が集まってけっこう買うてやらん……。
菊地 大学生はなんかねぇ、だんだん増えてきたとゆう、はい。
米朝 浪人やらがいて。大学生で、それが出来上がるまで休講とゆうんで、学校休
   んでやってるのがある。
   で、精薄児施設を作るとゆうのでね、「そんな遠大なことをできますか?」
   ちゅたら、もうとにかく一歩一歩我々の代で出来なんだら次の代に伝える。
   とにかく、土地は善意の方からの寄付であるから。この間、起工してしもて
   ね、工事に取りかかって年内に、とりあえず2、30人収容できる施設がで
   きるらしいんですよ。
菊地 そうらしいですねぇ。建築科の学生が設計してなんか全部自分でやってるら
   しいですねぇ。
小松 「ししゅう」って、あれですか? そのチクチクやるほうの刺繍でなく、歌
   のほうの詩集。
米朝 歌のほう。
菊地 歌のほうです。ポエムのほう。
小松 あぁ、そうですか。詩集を自分達で作るんですか? 詩ぃを?
米朝 そうなんですね。
菊地 それを本にして売って。
米朝 えっ、何ですか? 題なしも?
小松 題なしも来た奴を文集に……。
米朝 文集をね……。
菊地 ああ、文集、これは売れるでしょうねぇ。
小松 文集、□□□こさえて、わいらが(その施設に)入る。
菊地 (笑)
米朝 一番に入らならんやけどねぇ。
菊地 あ〜、もう、手遅れ。
米朝 ところが、梅田の地下街で、立ち売りが禁止された。
菊地 ああ、そうですね。
米朝 警察から。
小松 なるほど。
米朝 □□□ちゅやから、いかんてゆうて。
小松 □□□おっぱらわれた。自動販売機にすりゃよかったね。
米朝 立ち売りのおばさんの立ってたとこに、紙が貼ってある。

    長いこと、立ち売り人にご協力ありがとうございました。
                     立ち売り人一同

   って書いてあってね。
小松・菊地 (笑)
菊地 まぁ、義理堅いですねぇ、やっぱり。
米朝 義理堅いもんでっせ。
菊地 あれ、便利だったんですけどねぇ。
小松 そうそう。
米朝 あれを万博名物で置いといたらええと思う。
小松 よろしいやなぁ。
米朝 万博の入り口であれ売ってたら。
小松 この頃、高速道路の回数券、あれの立ち売りやってますな、切符の。
米朝 やってますな、あれもまぁいかんのやろけどねぇ。
菊地 あぁ、それはやっぱりゲートの近くでやってるですか?
小松 近くでやってる。
菊地 へぇ〜。
米朝 わたし、あの、お茶や生け花やら踊りのお師匠はんの入り口でねぇ、チケッ
   ト制にしてね、全部あれ売ってたら、皆、もっと踊りやなんか習いに行く
   人、増えるんやないかと思う。
菊地 なるほどね、すーすーと行けるように。
米朝 ああゆうものはねぇ、日本風のあれがずぅ〜とうるさいでしょ。
小松 お花のお師匠さんなんかどうでっか。チケットの代わりに色付いた1本ずつ
   渡したら、ほんまの花代や。
菊地 お花(笑)
米朝 線香と花と。花と線香と……。
小松 手に持って。
米朝 線香は芸者はんの昔のタイム計るのに、お線香の消費時間でやったという。
   芸者の「はな」とゆうのは、昔は「纏頭(てんとう)」とゆうむつかしい字
   を書きましたなぁ。
菊地 てんとう?
小松 なんかありましたなぁ。
米朝 「頭に纏う」とゆうような字。
菊地 頭に纏う。はぁ〜。
米朝 それは、(芸者が)よう舞うたってわけで、貴人が着物かなんかくれる。そ
   れは頭にかざしてね、もう一つお礼の舞を舞うたとゆうようなね、中世のこ
   とでしょな。
菊地 はぁ〜。
小松 それまぁ、貴人がそのとき、たまたまええ服なかったんで、褌をくれた奴を
   足に巻いてやったのが纏足(てんそく)の始まり(笑)。
菊地 (笑)そうかしら。そんなことゆうてもろたら……。
小松 嘘や、嘘や、そんなこと本気にしたら恥かくよ。
菊地 (笑)
小松 そりゃぁまぁ、憶えちゃいけない学説とゆう奴。
菊地 そうゆう学説もありますけどゆうて。
米朝 ところが、そうゆうのに限って記憶に残ってね。
小松・菊地 (笑)
米朝 試験のときなんかそんなんだけ頭に残るんや。
菊地 もう、最後や思てむちゃくちゃゆうてはる。
米朝 政治犯の起源とゆうのはいつごろです?
小松 あれ、なんか古いでっせ。あのう、古代ギリシャですから大体紀元前4世紀
   に、高等遊女。あっ、大変な遊女がいたんでっせ、昔。
菊地・米朝 はぁ?
小松 あの、アスタシアゆうてね、この人の弟子ん中にソクラテスやらね、哲学と
   修辞学、教えよった。
菊地 はぁ〜。いやその遊女のお弟子にソクラテスがいたわけ。へぇ〜。
小松 ソクラテスはそれの弟子やった。
米朝 何を習ろてたんです? 哲学やなんかの学問のお弟子さん?
小松 はい。修辞学ゆうて、つまりしゃべり方ですな。そうゆうのを教えとった。
   その弟子に偉いのがもう輩出したん。それがものすごい美人でねぇ、それが
   一世の指導者ヘリクレスと結婚するんですよ、ペルシャ戦争……。
米朝 やはり、踊りを踊ったり歌をうとうたりしたんでっか?
小松 うん。そらもうやるんです。
米朝 商売やから。
小松 それから客もとるん。
米朝 ええっ!
小松 遊女ですよ。
米朝 宴席へ出たりするん?
小松 はぁ。
米朝 線香で時間を……。
小松 そのころ、水時計持ってって、それで水がなくなったら、さっさと帰った。
米朝 そな、線香3本とゆうのが、1杯とゆう。
菊地・小松 (笑)
米朝 あの人はもう一本になったとかゆうのを、一杯になったとゆう。
小松 線香代やのうて水代とゆう。
米朝 なるほどねぇ。
小松 ひょっとしたら、それから水揚げちゅな始まったんかもしれんね。
菊地 ともかく、今のはちょっとあてになりません。
米朝 え〜、題なしが終わるとゆうことに関する投書ばっかりなんですがねぇ。お
   貰いは、今日はねぇ、東大阪から100円送ってくれました。それも、かな
   りの額になりましたんで、交通事故で亡くなった方の遺児が学校にも行けな
   いとゆうので、□□□、500万円の補償とかなんとか言って裁判で決まっ
   ても払ろてくれへん。
   □□□
菊地 奨学生として何か勉強を。
米朝
    スタジオの中を こだまする
    桂、小松 □□□

   これは、まだ、来週の□□□

    僕がペンシル もらうまで
    何故に題なし 待たなんだ

小松 (笑)
菊地 やっともらえる……。
米朝 
    ところが採用されて1か月ほどになりますが、記念品はまだきません。
    □□□

   記念品を送り完了するまで、題なしはなくならんちゅうことになりますか?
小松 そうかもしれまへんなぁ。
菊地 どうなんですかねぇ。
小松 で、そうかと思うと、題なしが終わって1年も2年もたって、まだ記念品、
   送ってくるちゅなあるかもしれん。
菊地 1年半ほどしてシャープペンシルが届いたりしたら、ちょっと気持ち悪いで
   すね。
米朝 記念品、送り終わったら、あの本田プロデューサー、仕事がないようなって
   クビになるんとちゃうかいな。
小松 題なし死すとも記念品は死せず。題なし死すと言えば、アイクが死にました
   な。
菊地 ああ、そうですねぇ。
小松 大きな頭して、死んでもうたなぁ。「ああ、いく」と言って死んだな。
菊地 ああ、逝く。
米朝 最後の言葉。
菊地 悪いですねぇ、もう、頭ちょっと……。
米朝 こうゆうパチンコ屋あんのかいな。

    あるパチンコ店・OBC会館での会話
    「主任さん、あの台、政府からの苦情が出すぎますよ。出すぎて出すぎ
     て、もうちょっとで終了ですがな。」
    「あの題名のない台です。」
    「釘師は誰や?」
    「あの3人組で、ほれ、奥目の米朝と出っ腹の左京とボインのミッチーで
     すがな。」
    「あいつら、しょがない奴っちゃ。あいつらが変にいじくるさかい終了に
     なってまうのやがな。」
    「ああ、もうあきまへんで、主任さん。横町のご隠居、始め大勢で打って
     ますね。もうすぐ、終了ですわ。」
    「畜生、あの3人組め、こうなったら即刻クビや。」
    とうとう、OBC会館は3人の暴動で潰れてしまったのである。

   □□□区の□□□ひろかずとゆう人。
小松 OBC会館って言えば、今日、ここに来る途中、車乗ったら、不思議な事あ
   りましてね。
菊地 はい、どんなことですか?
小松 「桜橋の産経会館、やってくれ」ゆうたんやなぁ。「産経会館ゆうたら、あ
   れですか? ラジオ大阪のそばですか?」と、こう言いやがん(笑)。
菊地 はぁ〜、また、奇特な運転手がいたもんですねぇ。
米朝 ラジオ大阪の一部を産経会館が使用してんのかも……。
小松 □□□
米朝
    人は題なしのみに生くる物にあらず

   高槻の、これなんて読むん?
小松 なんで生きまへんか、これ。
米朝 さぁ、飯もくわんならんから……。
小松 このあと始まる何とかいうゴチャゴチャ始まる、あれで生きよんのかいな。
米朝 ええ?
菊地 殴り込みなんとか。
小松 殴り込むんでしょ。
米朝 ああ、あれねぇ。あのことについても来てますわ。

    題なし暴力団とゆう、これはまた、お貰いを増やすための偽装解散かもし
    れない。

   □□□市のふじわら□□□さん。
小松 (笑)暴力団なみやね。
菊地 もうそやけど、なくなるゆうて久しいけど、あんまり増えませんね。
小松 増えんなぁ。そらまぁ、考えてみたら、盗人に追い銭や。
菊地 (笑)
米朝 この間、あんた、クラス会費の余ったの、毎年来ますわなぁ。
菊地 百八十いくらとか。
米朝
    あたしは、ぶこう高校電気科2年の委員長ですが、このたび私のクラスの
    学級費が183円赤字になっております。この番組では、クラス会費の年
    度末調整を行っているようですが、私のクラスの分もお願いします。

小松 (笑)まぁ、あほらしい。
菊地 (笑)厚かましい。
米朝 あまのはるおさんから。「寺から里へ」とゆう奴ですな。
小松 何が悲して、ほんまにあれですなぁ、クラス会費のプールなんかしとかんな
   らん。あほらしい、クラス会費の頼母子でもやりやがれ、ほんま。
菊地 それでは1曲目です。堺市浅香山のせのうとしゆきさんのご希望です。
小松 「夜明けのス〜キャット」か。夜明けのすき焼きだな。
菊地 「夜明けのすねこ」じゃない? 猫の酢の物。
米朝 スキャットゆうたら猫の酢の物?
小松 酢だこの代わりにスキャット。
菊地 由紀さおりさんの歌です。

   (「夜明けのスキャット」の曲)

   □□□
米朝
    題なしを存続させるための一提案
          トンコファンクラブ

    最近の題なしを聞いて憂うることは、毎回毎回、番組中止の話しが中心に
    なっていることである。これでは本当に終わったときに、「ああ、やっぱ
    り終わったのか」とゆう印象しか与えない。
    偉大なものはある日突然になくなって、みんなに惜しまれ、別離の涙を流
    させるものである。
    ケネディー兄弟を見よ、マーチン・ルーサー・キングを見よ。
    僕は提案する。番組中止の話しなどせず、いつもと変わらぬ調子で進め
    て、突然になくなる。□□□

菊地 ウダウダ、ウダウダゆうて。
小松 そりゃまぁ、偉大な人はそやけど、これ、別に偉大な番組やないから、あれ
   とおんなじで、□□□噺家でお通夜、予告やって先にやった人。
米朝 最近では、三木助さん。
菊地 金馬さんは違いますか?
米朝 あれは……。
   今日死ぬちゅうて召集したんやから。それで死ななんだ。
菊地・小松 (笑)
米朝 □□□して、また寝てしもた。
小松 (笑)
菊地 具合悪いでしょうね、これは。
小松 いやぁまぁ、題なしは似たもんやな。

    題なしは死なず。ただ、消えていくのみ。

   って当たり前やな。
菊地 (笑)そらそうよ。
米朝 いちいち番組がなくなるたびに死んでたら、なんぼ命があっても足らんぜ、
   そやけど。
小松 (笑)
菊地 生き変わり死に変わり……。
小松 □□□(抗議の自殺?)でもやりまっか、いっちょう。
米朝 誰がやります?
菊地 煙草の煙で。
小松 まぁ、そうゆうことはプロデューサーやな。
菊地 作った人がやっぱりやる……。
小松 わたし、あのう猫舌で熱いの嫌いや。お風呂も。
米朝 猫舌、猫足で……。
菊地 猫舌、猫足、猫体。
米朝 この間のアルゼンチンの大使のことはゆうたかな。
菊地 あのう政治家がなんか、……。
米朝 アルゼンチンの河崎とゆう大使が、□□□、日本の政治家は私腹を肥やして
   て、ロクな国やないと。
菊地 ホッテントットよりも下やと。
米朝 いや、よりはまし、と。
小松 ましやったら、たいていあんたぜんぜん悪いこと、おまへんがな。
菊地 喜ぶべきであって。
小松 そりゃまぁ、そんなこと言ったら白人かてピグミーやホッテントットよりま
   しかもしれん。
米朝 政治家が私腹を肥やしてるのは、アルゼンチンのほうが上ですか?
小松 アルゼンチンやブラジル、南米なんてすごいでっせ、あんた。
菊地 ブラジルはすごいらしいですねぇ。
小松 中南米ちゅたら、規模が大きい。さる国の大統領がおっきい土地を買いまし
   てねぇ、それから要するに工作して首都をそこに移すちゅうぐらい。そい
   で、地価の値上がりボンボン。それ知ってるからみんな引き受けせん。
   怒って飛行機で徴収。そうゆう大規模なことやんのよ、あんた。
菊地 あのう、小規模なとこでは、おまわりさんなんかでも、あれでしょ。違反し
   ても簡単にちょっと、こう捕まったら、すぐなんか寄付するだけでねぇ。
小松 それも中米のさる国で見てきたんです、まぁ。捕まってゴチャゴチャゴチャ
   ゴチャゆうてるから何をゆうとるか、おまわりの罰金値切っとる(笑)。
菊地 さる国で(笑)。そらやっぱり堂々と……。
小松 それでねぇ、どうしても負けへんゆうたらねぇ、とにかく、日本人は気が強
   いから、どうしても負けなんだら、お前警察来いってようゆうらしい。警察
   行くと、罰金が自分のポッポ、入らへんから渋々……(笑)。
菊地 警察(笑)。
米朝 そうすると、3円くらいは、もうスケールの小さいもんですな。
菊地 ちょっと気が大きなりましたね。
小松 おまわりの交通ポリの□□□されとるねん。
米朝 へぇ〜。
菊地 はぁ〜。
小松 つまり、ほんと例えば□□□入りまっしゃろ。パトロールやる奴の昼飯どき
   なんか、そりゃまぁ、交通□□□として受けて捕まえる、それから罰金取っ
   て飯食いよる。
菊地 はぁ〜。
小松 それでほかのパトロールの巡査なんかあんまり金入りませんへんがな。それ
   でそうゆうのは、パトロールの巡査って何やってか、□□□の分、見張り番
   やっとる。
   で、その交通巡査がええちゅんで、お前ちょっと、俺と変わってくれゆうて
   なんぼかピンハネでこう……。
菊地 楽しい国ですねぇ、それは。
小松 まぁ、そんなことないやろけど、もし、我々3人がどっかで□□□になった
   ら、そうゆう国に行けば……。
米朝 なあなあで行くとゆう国。
菊地 なあなあでお貰いを……。
小松 よろしい……。
菊地 まあまあよろしい。
米朝 そうゆう国の学生はゲバ棒ふるうたりはせえへん?
小松 しますにゃ、それが。最近はもうはやりで。そりゃ弾圧もめちゃくちゃで、
   あんたバズーカ持って打ち込み……。
菊地 あ〜、あぁゆうのはね、すごいですもん。
小松 そら、ごっついでっせ。
米朝 そうゆうポッポナイナイのほうは、まぁ、大したことないと。
小松 考えてみるとね、あのう、これはねぇ、すごくわずかなもんで、チップみた
   いなもんですけどね、ポッポにしても。
米朝 はぁ。
小松 あの、そんなにたくさんいらんわけで、あんまりたくさんやったらバカにさ
   れる。つけこまれる。
米朝 なるほど。
小松 そうするとね、なんぼかちょっちょっと渡すことによって非常に愛想はよう
   なるしねぇ、物事はスムースにいくしねぇ。社会の潤滑油や、どうやろ。
菊地 日本はね、その点……。
米朝 日本のお役人のけったいな石頭とゆうものより、ましかもわからんなぁ。
小松 あのう、今の代議士かてねぇ、要するに一か所からようけ取ってねぇ、よう
   け取らんとこあるからいかんねん。
   ようけいの知ってるから、ちょっとずつちょっとずつ取ってねぇ、それで
   やったら、まぁ、……。
菊地 ちょっとなんか頼んだら、すぐちょっと取って。
米朝 便利大工ちゅな……。
小松 (笑)おましたな。便利代議士ちゅの。
米朝 便利政治家ちょうのを……。
菊地 あ〜、それはいいでしょうねぇ。簡単にゆうこと聞いてくれる。
米朝 よろしいがなぁ。「騒音が困りますのか? えぇ、そなまぁ、それやったら
   5000円くらいで引き受けまっさっ」てな。
菊地 (笑)
小松 どうも、しかし、スポンサーが、□□□、スポンサーばっかりゆうてたら
   なぁ、それがやはりまずさかもしれまへんな。
菊地 今ごろ反省しても遅いですよ、そんなもう。
米朝 今ごろ……。
小松 なんや安保対策かもしれんな(笑)。
米朝 だんだん話しがオーバーなってくる。そうゆう投書もたくさん来てたんやけ
   どね。小松 あぁ、さよか。う〜ん。
米朝 あのう、東京の蒲田駅でね、定期が値上げになるゆので、学生が、高校生が
   買いに行ったん、値上げ前に。
小松 定期の買い貯めに行った。
米朝 ちょっと、ここでこうとこちゅうわけで。そな、売ってくれへん。なんで
   や、ゆうたら、学年の切り替えのときやないといかんとかなんとかゆうて。
   なんで売ってくれへんやとゆうたら、とにかく中へ入れ。奥へ入ったら、あ
   んたは今2年生を終了して3年はまだ始まってないから、今学生じゃないか
   ら売れんとこうゆう。
   そんなバカなことないちゅうて身分証明書見たら、なんか書いてあってね、
   その間も学生であるとゆうことが書いてある。□□□、それでせまったとこ
   ろが、そな4月1日から売ったげるとこうゆう。値上げしてから。
   で、今度はテレホンサービスで国鉄の当局へそんなことはないはずですゆう
   て、そいでしまいや。どうしても売ってくれへん。それ、新聞に載ってまし
   たよ。
小松 おかしいねぇ、どうも。□□□
菊地 別にそんなことしたって自分が儲かるわけないですねぇ。
米朝 アルゼンチンなら、ちょっと□□□。
   □□□

   (2曲目:曲名不明)

菊地
    お願いですから、この葉書は読まないで下さい。あたしは、この2年間、
    ずっと題なしに投書したのですが、一度も読まれたことのない記録を持っ
    ています。
    お願いですから、あと2回読まないで下さい。新記録、101回連続没。
    それと、100%の没率が達成できるのですから。
    この2年間、涙をのんで、くだらないことを書いたのです。僕を男にして
    下さい。
                    四代目米朝

米朝 なんやそら。
小松 とうとう、しかし、大鵬の連勝も止められたみたいなもんやな。
菊地 堺市のべっしょゆきおさん。
米朝 この人は、もうなんべんも読まれてるよ。
菊地 嘘ですね、これ。
小松 嘘でっせ。うまいことひっかかった。
菊地 また、ひっかかった〜(笑)。
米朝 花を送ってきてくれた人は、のだ……。
菊地 あ、きれ〜ですね、椿。あんこ椿は恋の花。
小松 ツバキがなんできれい?
菊地 ん?
小松 ツバキを吐いてはいけません。
菊地 汚い、汚い。
米朝 (苦笑)
小松 それ、あんこ椿でっか?
米朝 あんこ椿ゆうよな□□□がありますか?
菊地 (笑)ありませんよ。あんこ椿は、あれのことでしょ。
米朝 あんこン中に、ペッとツバを吐いたんなら……(笑)。
菊地 あっ、汚い、もう〜。どうしてこんな汚い……。
小松 つばきであんこをこさえるんでは、ないんですか?
菊地 もう、汚い、もう、よろし。下さい、この椿の花、かわいいのに。
小松 つばきあんちゅのは……。
米朝 つぶあんや、それは。
菊地 もういいったら。
米朝 もうおしまいでありますからとゆうのでね、長々と、いろいろと……。
小松 しかし、これはなんか、その含みがありまっせ。
菊地 いや、もう〜(怒)。
小松 いや、そうじゃない。
菊地 そうじゃない?
小松 昔、武家の家の中には椿の木を……。
米朝 椿の木を嫌がった。
菊地 嫌がった? あっ。
小松 これはね、首がポトッと落ちる。
菊地 ポタンと落ちるからですね。
小松 それで、題なしの首が落ちたと。
菊地 そうゆう嫌みに、うらみがあるわけですね。おありがとうございます。
小松 嫌みやな。学があって、その学に照らし合わせてひがむから、どんなことで
   もひがめるな。
菊地 何が学があって(笑)。
米朝 この間も、ウチに帰ったら椿がパッと落ちててね、なるほど嫌なもんやな思
   た……。
小松 あれを、椿の花、スポットと抜けるから糸に通して花輪みたいにして。
菊地 レイを作る。
小松 かわいいもんでんな。
米朝 椿の花で。う〜ん。
小松 あれ、スポンと抜けるでしょ。
米朝 大島かどっか行ったらやってますか?
小松 いや、普通の、ここらへんでもやってまっせ。
米朝 この辺、椿がない。
菊地 あんまり見かけませんねぇ。
小松 最近はみかけませんなぁ。
米朝 もうしばらくしたら、大阪市内、本当にスモッグやなんやで花なんかぜんぜ
   ん咲かんようになってしまうね。
菊地 桜の花も危ないらしいですね、造幣局の。
米朝 この間、あんた、食品の中にいろんなものがまじっているとゆうことは、新
   聞にこれでもかこれでもかと出てるけれども、何にも食べられへんにゃ、あ
   れ見たら。
菊地 はぁ、すごいですねぇ、あれ見たらねぇ。何食べても全部入っています。
小松 わたしの、これ吸ってるハイライトねぇ、これ水銀含有量が煙草の中で一番
   多い。農薬の関係で。
菊地 なんかお豆腐に、なんとか樹脂、シリコンかなんか入ってるらしいですね。
米朝 こんにゃくからソーセージ、ハムはもちろんのことね、牛肉にまで色をきれ
   いにするために薬が使用されてるという。生魚、池の魚やったらええかいな
   と思たら、海がこの頃危ない。
小松 危ない、危ない。海、いたいいたい病、水俣病でしょ。
菊地 野菜がいいかと思たら、もやしなんか漂白のね、過酸化水素なんか入ってい
   る。
米朝 グリンピースなんていっぺん脱色して、また薬品で緑の色を付けるやて。
小松 そうでっせ。それから恐いのはねぇ、ちょっと入ってもひっくり返るちゅう
   有機燐剤ね、農薬として扱う、これを水に溶かしてリンゴをねぇ、売る前に
   そこって漬けるんです、艶がよくなる。
菊地 ああ、そうらしいですね。
小松 だから、洗剤でちゃんと洗わんならん。じゃ、今度、その洗剤がくっついて
   いるリンゴを生かぶりすると、洗剤で……。
菊地 洗剤でなんか。それからこの頃なんか食べ物買ったらでかでかとねぇ、無添
   加物食品と書いてありますね。
米朝 で、お米はねぇ、お米であれが入っているでしょう。燐が。
菊地 お米も入っている。
小松 しかし、まぁ、いろいろ使こうている側にしてみたら、割と人間て丈夫なも
   んや思て□□□。
米朝 公害、公害てゆうけど、平均寿命は伸びてきたやないかとゆうた人があるや
   からねぇ。□□□
小松 わたしらが死んで題なしのほうは誰かが継いでって、そのほうがなんかきれ
   いな感じがして。
米朝 そんなことゆうたら殺しに来るよ(笑)。
小松 (笑)
菊地 それでは、来週もまだ1回ありますから、お便りを下さい。
小松 もう、いらんことにしよ、お便り。
菊地 えっ? お便りも? いらんゆうたら来週は……。
小松 回顧展、題なし回顧展ちゅのやろう。
菊地 いい話しを選んで?
小松 そうや。
菊地 それでもいいですね。そしたら、もう、お便りはいりません。
米朝 (笑)

♪ジャジャジャジャ〜ン、続いて出囃子がBGM。その後、交響曲第5番。

菊地 題名のない番組。今夜はこのへんで。使いましたレコードは、エクスプレス
   とRCA。おしゃべりは、
米朝 桂米朝、小松左京、菊地美智子でした。
小松 (無言)
菊地 (無言)